備えあれば患いなしー作溝・中干し作業ー

     DSCN4162.JPG
           梅雨の合間に残雪の月山くっきり(6月27日:天童市寺津にて)

 山形の空は梅雨の一休み。6月27日の天気(山形市)は、最高気温29.8℃、最低12.1℃、その較差17.7℃、そして日照は13.7時間、からっと晴れ渡った空に、残雪の月山がくっきりと姿を現わしました。残雪の多さには驚きます。
 この好天の下で、「この指とまれ」の山口泰弘、平吹正直の両君は、アスク試験田と酒造好適米品種の種子田の作溝作業を行いました。
 
 DSCN4164.JPG  DSCN4167.JPG
  「山酒4号」種子田の作溝作業(山口泰弘君)
 DSCN4168.JPG  DSCN4172.JPG
  「龍の落とし子」種子田(左)とアスク試験田の作溝作業(平吹正直君)

 稲の成育にとって、葉の数が8~9枚の今がちょうど穂をつける茎(有効茎)と穂をつけない茎(無効茎)の分かれ目です。これから出現する茎の殆どは無効茎になります。根の周りにはガスが発生してきます。
 そこで、無効茎の出現を抑制し、根の健全な成育を促すために、田んぼに溝を掘る作溝作業を行います。その後は、中干といって、田んぼには水を入れず、ヒビ割れが出る程度まで乾かします。稲の葉は黄色味を帯び硬くなり、根は下の方に深く伸びます。そして再び田んぼに水が入る頃、茎の基には幼穂が生まれてくるのです。
 作溝・中干し作業は、稲の成育を健全にするだけではありません。稲刈り機械のコンバインの効率を高めるというメリットがあります。刈り取り間近になると降り続く秋雨、作溝・中干し作業を省いた田んぼは排水が悪いためぬかるみ、稲は倒伏、こうなると大型コンバインといえどもお手上げです。
 作溝・中干しは、2か月半後の稲刈りに備える「備えあれば患いなし」の作業でもあるのです。

2012年6月28日 13:32