酒米づくりへの新たな挑戦(7)


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        疎植栽培の圃場(田植え:5月18日)


JA金山酒米研究会松沢信矢会長が酒造好適米「出羽燦々」のより高品質をめざす「疎植栽培」、挑戦2年目を迎えました。
 前年の疎植栽培の品質は、慣行栽培と比べ、整粒歩合は明らかに高く、また、玄米タンパク質含有量はそん色ない結果でした。
反面玄米千粒重慣行より1gほど小さくなり、米粒は小粒化することがわかりました。
  酒造好適米の望ましい玄米形質は、①大粒・豊満、②心白が中央に鮮明にある、③タンパク質含有量が低いことです。これらの3形質は、品種固有の特性に依るところが大きいのですが、穂に着くモミの数によっても影響されます。一般に、モミ数が多すぎると、粒は小さく形成されという負の相関があります。 このため、酒造好適米の高品質生産のポイントは、いかにして過剰なモミ数を抑えるかにあります。
  疎植栽培は、一株当たりの面積が広く光・肥料などの条件が良いため、一穂に着くモミ数は慣行より多くなる、特に二次枝梗(しこう)に着くモミが多くなるため米粒は小さくなると考えられます。

疎植栽培2年目の課題は、この負の関係を断ち切るため、深水による過剰茎数の抑制、穂肥の適切な時期・量などによって、疎植のメリットを生かすことにあります。
  田植えは5月18日に行いました。5月30日の成育は、まだ活着したばかりで、葉色は薄いという状況でした。分げつの発生はこれからです。
  酒米づくりのベテラン、松沢会長の挑戦は本年も続きます。現地からの成育状況などの情報は本ホームページで逐次提供します。

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                            5月30日の成育状況

 

2012年6月 4日 11:08