田んぼにはひと足早く秋の訪れ?

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 例年の今頃なら、田んぼは出穂を控え、濃い緑色に彩られていますが、今年は少し異変が起きています。イネの葉色が黄色みを帯び、ひと足早く秋が訪れたのでは?と勘違いしてしまう田んぼが見られるからです。
 これは、台風6号による影響と思われます。7月19~21日にかけて強い東風が吹き、とくに20日の最大瞬間風速は山形市で17.9m、そして”清川ダシ”が吹走することで有名な庄内町では24.6mでした。この強い東風で、穂孕期を迎えていたイネの11~12葉に葉枯れが発生し、田んぼ全体の葉色が一気に褪色したように見えるようになりました。
 風で傷んだ葉や葉色の低下が品質にどう影響するのか気になります。もし、前年のような猛暑が続く、あるいはフェーンが吹くようならば、葉の枯れ上がりはさらに早まるでしょう。その結果、白未熟粒の発生を助長することが考えられます。
 葉の活力を回復させるには、窒素肥料の追肥が効果的ですが、出穂直前の追肥は、玄米のタンパク含有率を高め、食味の低下につながります。このため、2日湛水3日落水という間断灌漑によって、根の健全化と地表面の根の働きを促して穂肥を効率的に吸収させ、イネの活力を保つことが肝要です。
 猛暑を乗り切り、前年の轍は踏まない、品質向上への取り組みは、例年にも増してコメづくり農家の腕にかかっています。

2011年7月27日 13:28