山形、ようやく梅雨入り

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 6月21日は、昨日まで晴れ渡っていた空とは打って変わり、どんよりとした暑い雲に覆われ、時折雨が降る空模様でした。山形もようやく梅雨入りです。平年より9日も遅いとのことです。これから梅雨明けまでの約1ヵ月間、うっとうしい日々が続きます。
 梅雨の節、アスク試験田のあぜ道からの風物を2~3紹介しましょう。その一つが、山のふもとが水面に輝いているように見える光景です。サクランボ園一面がビニールに覆われているからです。サクランボは雨が大敵、赤く熟れた実が雨に濡れると、一夜にして割れてしまいます。実割れ防ぐため、ビニールの大きな傘をかけてやるのです。大変手間のかかる作業ですが、一粒一粒への愛情、それが遠くからは水面のように見えるのです。
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 いまひとつが、あざやかな黄色と濃い緑色が田んぼで競い合っている光景です。収穫間近になり、黄色く色づいた麦の穂、それとは対照的に一段と緑の濃さを増した稲、そのコントラストもまた、山形の麦秋ならではの風物です。
 そして、奥羽山脈の峰々に低く雲が垂れさがる現象です。例年、これから7月下旬にかけて、太平洋からの冷たい風、ヤマセが吹走します。イネに冷害をもたらす風です。山形に吹き込んでくるヤマセは奥羽山脈にさえぎられます。このため、峰の切れ間切れ間に雲が垂れさがるのです。昨年は猛暑、最近では”温暖化”のみが注目されています。冷害はすっかり片隅に置かれています。油断大敵、”冷害は忘れたころにやってくる”、先人の教えを思い起こしたいものです。

2011年6月22日 11:33