酒米づくりへの新たな挑戦(1)

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   田植え盛り「酒米の里 金山」(金山町上台峠より 5月24日)
 

「酒米と里 金山」は田植の盛り、中でも、JA金山酒米研究会松沢信矢会長の田植えは、例年になく緊張感をもって行われています。
 と言うのは、松沢さんは酒造好適米「出羽燦々」の田植え方法を疎植栽培へと全面的に切り替えたからです。これまでの田植えでは、苗を60~70株/坪植え込んでいましたが、それを35株/坪と約1/2の株数にしたのです。
 疎植栽培で期待されるメリットは
① 株数が慣行の1/2のため、育苗面積・育苗箱数・運搬労力なども1/2で済む、
② 植えこむ株と株の間が広くなることから、光が中まで入り、風通しも良く、イモチ病・モンガレ病などの病気にかかりにくい、
③ 茎が太く育ち、倒れにくい、
④ このため、品質が向上する、
⑤ 大きな穂を着け、これまでと同等の収量が望める、
などの点が上げられます。反面、
① 6、7月にヤマセが吹走し、低温で経過すると、寒冷地である金山の気象と出羽燦々の特性により分げつの発生が抑えられ、収量が不安定になりやすい、
② イネの成育にとって好条件は、雑草の発生にも有利、
③ 疎植栽培と酒米品質の3条件「大粒」・「心白」・「タンパク含有率」との関係が十分に解明されていない、
など、懸念される点もあります。
 でも、松沢さんは「出羽燦々」づくりで県知事賞を2回受賞した名手、きっと、疎植栽培への新たな挑戦で、より高品質の酒米づくりを達成するに違いありません。
 低コストと高品質生産の両立をめざす、松沢さんの真摯な取り組みは、これからの酒米づくりへの試金石になる、そんな思いを持って田植えを手伝ってきました。
 
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   疎植栽培に挑戦する松沢さん    30cm×30cmに植えた苗と田んぼ

2011年5月25日 11:40