「つや姫」のルーツを辿って

鳥海山① 110506.JPG月山 110506.JPG
       鳥海山(右)、月山(左)を庄内平野から眺望する(鶴岡市藤島)
 

「コシヒカリ」、「ササニシキ」、「ひとめぼれ」、「あきたこまち」、そして山形米を代表する「はえぬき」、デビューまもない「つや姫」、これらのおいしいお米の品種のルーツを辿れば、それは「亀の尾」に行き着きます。
DSCN1346.JPG 「亀の尾」は明治26年(1893)、山形県庄内町小出新田(旧大和村)、阿部亀治翁によって創選されたことは、本ブログでもたびたび紹介しています。「亀の尾」の栽培は、大正14年(1925)頃には最大19万5千ヘクタールにも達したと記録されています。
 生涯を米の品種改良にかけた翁の功績を讃え、出生地の八幡神社の境内に昭和2年(1927)に石碑が建てられました。
 そして今、翁が注いだ品種改良への情熱は、山形県農業総合センター水田農業試験場(鶴岡市藤島)へと引き継がれ、「はえぬき」、「つや姫」はここで誕生しました。「亀の尾」の血はしっかりと流れ続けているのです。
 境内の木立の中にひっそり佇む「阿部亀治翁頌徳碑」、「つや姫」もまた「亀の尾」のように飛躍することを、静かに見守っているに違いありません。
 庄内平野から望む秀麗鳥海山、月山もまた、時は移うとも、米づくりに汗する人々は不易である、そう教え、「つや姫」にエールを送っていると思えた一日でした。
 
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 「つや姫」・「はえぬき」を育成した水田農業試験場と育成中の系統   
 

2011年5月 6日 12:05