酒米づくりは土づくり
蔵王連峰と山形市街を望む
高品質米づくりの基本は土づくりです。昨年の猛暑でも、土づくりをしっかりした田んぼから生産された米の品質は高く維持されました。
土づくりには①たい肥・わらなどの有機物を施用すること、②土づくり肥料を施用すること、③土を深く耕すこと、などの方法があります。なかでもケイ酸を含む土づくり肥料の施用が重要です。
イネの成育には、ケイ酸が大量に必要です。ケイ酸がイネに吸収されると、デンプンの生産が盛んになり、稔りや品質が高まり、米の中のタンパク含有率が低下し食味は向上します。また、酒米品質に必要な”粒が大きいこと、心白率が高いこと、タンパク含有率が低いこと”の3条件をも向上させることが知られています。
しかし、イネが吸収できる土や灌漑水のケイ酸量は年々減少しています。このため、不足する分を土づくり肥料として与える必要があります。
肥料はトラクターの後部に取り付けた散布機から放射状に散布します。この日は、風が少し強かったこともあり、白煙を上げていますが、肥料は田んぼ全面にしっかりと散布されています。
震災の影響で、土づくり肥料は入手しにくい状況のようですが、酒米生産に取り組む山形ハーベストグループは前もって確保していたことが幸いしました。本年も、高品質な酒米、「龍の落とし子」「羽州誉」が生産されることを期待しています。
土づくり肥料 肥料の散布
2011年4月18日 11:43