酒造好適米新品種の誕生をめざす(2)

コピー ~ DSC_0053.JPG いつもの年なら雪解けを待って田んぼのクロ塗り作業がスタートするのですが、寒さと余震、それに燃料不足も加わって、まだ雪の残る田んぼはひっそりと静まり返っています。
 そこで、夢のある話題?を取り上げましょう。アスク試験田では、平成18年に(愛山/山酒4号)F1と龍の落とし子を交配し、酒造好適米の新品種の誕生をめざして取り組んでいることを本シリーズで紹介しています(平成22年1月22日)。22年、F5世代の試験結果の概略については下表のとおりです。

F5世代.JPG 21年に選抜した生検2(写真左から2番目)は、早生・短稈・長穂、品質は千粒重大・心白率は極めて高かったものの収量がやや低い、玄米タンパク含有率はやや高いという結果を示しました。これに対し、生検3(写真左端)は早生・長稈で、収量はやや高く、タンパク含有率はやや低いという結果でした。
 酒造好適米品種の特性として、両系統の長所を足して2で割ったものが理想なのに、現実はそれほど甘くはなかったようです。それぞれ、長所と短所を持ち合わせているようです。
 そこで、どちらの系統を選抜するか迷いましたが、生検3は長稈のため倒れやすく作りにくいこと、生検2の収量とタンパク含有率は栽培方法で改善できること、などの点を考慮し、生検2を選抜することにしました。
 さて、この判断が吉とでるか、凶とでるか、「夢」のある品種誕生をめざし、その後半戦は、あぜ道から蔵の評価にかかっているようです。
 
                         

          
 

 

2011年3月28日 11:11