今年の作柄をふりかえる(山酒4号研究会)

 雪が降り続き、本格的な冬の到来yamasake4gou.JPG
を迎えた12月25日、山酒4号(玉苗)研究会(河北町)のメンバー、山崎商事、山米商事、そしてアスクの関係者が一堂に集い、本年産酒造好適米「山酒4号(玉苗)」の作柄の検討をしました。
 本品種もまた、猛暑の影響を受け、腹白型の心白粒が多いなど、残念ながら品質の低下は免れませんでした。
 そんななかで、注目された点がありました。それは、玄米タンパク含有率が、メンバーの皆さんそれぞれに明確な特徴がみられたことです。図の折れ線は、メンバー別に玄米タンパク含有率の年次推移を表したものです。図にみられるように、Aさん(黒)は低位安定型であるのに対し、Dさん(赤)は高位安定型、そしてB(青)、C(茶)さんはその中間型、E(緑)さんは作付の田んぼが替わったこともあって変動型で推移したことがわかりました。
 玄米タンパク含有率は、酒づくりに影響する重要な成分のひとつです。酒米づくりにとっても、生産者の栽培方法の違いや田んぼの特性を知るうえでのカギとなるものです。その数値の高低から、生産者の施肥法などの栽培履歴はおおよそ推察できます。一般に、タンパク含有率は低い方が酒米の品質では望ましいとされています。
 メンバーのこのような違いは何に起因するのか?、メンバーの皆さんはタンパク含有率を抑えるため、施肥量は多めにしないなどの注意を払っています。また、研究会ではお互いの圃場を観察しあいながら技術の向上に努めています。このことから、タンパク含有率の特徴的な違いは、おそらくは土壌の地力的なものを反映した結果でないか?という結論でした。
 分析データで示された結果に、メンバーは、毎年作りなれた田んぼであっても、土壌の特性などを考えた施肥設計などで、より高品質をめざす酒米づくりの大切さをあらためて確認し合いました。
 検討会後、山酒4号(玉苗)の純米大吟醸酒(秀鳳)の芳醇な香りを酌み交わし、その夜は大いに盛り上がったの言うまでもありません。
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  山酒4号:黄金色に特徴               あいさつをするアスク河合社長
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 お膳を前にもかかわらず熱心な検討     山酒4号(玉苗)の純米大吟醸(秀鳳酒造)


 

2010年12月27日 12:09