アスク試験田の収量・品質の概況

アスク試験田DSCN0857.JPGでは、平成17年から県内で
作付されている酒造好適米品種の作柄を
調査しています。22年の調査結果の概要
は次の通りです。
 収量(玄米重):早生・中生品種とも平年よりやや高め。
 千粒重:早生・中生品種とも平年よりやや高め。
 整粒歩合:早生は平年よりやや低め、中生はやや高め。
 心白粒歩合:早生・中生とも平年より明らかに高い。
 玄米タンパク含有率:早生・中生とも平年並み。
試験田成績.JPG 山形県の22年産米の品質は、出穂~刈取りまでの登熟期間が猛暑に見舞われたため、大きく低下しています(一等米比率75.9%:10月31日現在)。酒造米の品質も同様のようです(出羽燦々一等米以上比率47.7%)。
 アスク試験田の酒造好適米品種とて、猛暑の影響は免れないと思っていましたが、調査結果では、品質低下は見られないようです。ただし、心白の出方は、いわゆる腹白状のタイプが多いように観察されました。また、高温登熟ではタンパク含有率は高まるといわれていますが、そうした現象も見られませんでした。
 このように、品質が低下しなかった要因には、出穂後のかけ流しによる水管理や適期刈取りなど、高温条件に対応した基本技術があったのでないかと考えています。
 これらの調査データを活用し、さらに高品質の酒米づくりをめざしたい、今年の米づくりへの反省と、来年への期待を込めて。


2010年11月29日 14:57