酒造好適米「出羽燦々」の品質向上をめざして

DSCN0679.JPG 7月中旬、中干しが終わるころになると、稲の葉は黄色みを帯びてきます。根基には、幼穂が生まれています。幼穂分化期といって、稲の一生でもっとも大切な時期です。
 子供から大人への成長時期なので、栄養分を補給してやる必要があります。穂肥と呼ばれています。
 穂肥は、大人の成長するための活力を与え、もみの数を増やし、稔りを高めるという効果があります。
 ところがもろ刃の剣、DSCN0684.JPG穂肥の時期が遅れたり、量が多かったりすると、米のタンパク含有量が増え、お酒のおいしさを低下させるといわれています。
 このため、酒米の生産者は、穂肥の施用に大変気をつかいます。とくに、今年の成育は草丈が長いことから、倒伏をさせないための量をどうするかが課題でした。
 JA新庄もがみの「出羽燦々研究会」のメンバーの皆さんも、圃場を廻りお互いの成育状況を比較しあいながら、穂肥の量は例年の2kg(窒素成分10a当たり)から1.5kgに
変更
DSCN0681.JPGすることにしました(写真上:穂肥量を検
討しあう
「出羽燦々研究会」のメンバー)。
 また、山形県で出羽燦々の生産量が最も多いJA金山町「酒米研究会」の圃場を巡回しましたが、いずれの圃場とも、草丈は75~80cmとやや長めながらも、葉色は薄めで、タンパク含有量を抑える穂肥の施用がなされていました。さらに、20日ころからは、品質の向上をめざしてスーパーケイサンが炎天下のもとで散布されます(写真中:JA金山酒米研究会松沢信矢会長の圃場、写真下:JA金山「出羽燦々」作柄調査田の成育

  

2010年7月21日 10:54