酒造好適米品種の誕生をめざす(1)

雪国にもようやく「光の春」が訪れてきたようです。日脚が少しずつ延びてきたのを実感しています。冬眠から覚め、今年の米づくりの準備をそろそろ手がけているところです。
さて、そのなかのひとつ、酒造好適米品種の誕生をめざしての取り組みを紹介しましょう。
平成18年の夏「(愛山/山酒4号)F1」と「龍の落とし子」を交配しました。交配して実った種子(F1)をその年の秋にまき、温室で冬越しさせました(F1養成)。
同19年、約500個体を田んぼで栽培しました(F2養成)。これらの個体の出穂は7月28日から8月30日ころまでバラツキ、その上、穂からモミが落ちやすい(脱粒性)のがほとんでした。出穂が7月28日~8月10日で、脱粒しにくい特性を持つわずか6個体を選抜しました。
同20年、F3は系統として展開(F3系統養成)、6系統を栽培しました。このなかから、「粒の大きさ」・「心白の入り具合」などをみて1系統(1系統からは5個体)のみ選抜しました。
同21年、F4は系統群(F4系統群養成 1系統群3系統)として展開しました。この系統群中、2系統(生2、生3)は千粒重が大きく、心白率が高いことから、親の「愛山」の特性を引いていると考えられます。一方、早生であることから、「龍の落とし子」の特性をも合わせ持っているとも考えられます。
22年はF5世代としての生2と生3を展開、生産力や品質を、さらには酒造適性などの調査をする予定です。新品種の誕生に向けて、これから数年間が正念場ですが、「夢」と「希望」をもって、今年もあぜ道を歩きまわります。

 

DS00018.JPGのサムネール画像 DS00116.JPG DSCN0423.JPG

交配               F1(冬期養成)          F4 生2系統の品質

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 









2010年1月22日 13:23