子供から大人への成長

 7月に入って、気温は高め、日照時間は少ない梅雨 らしいじめじめとした天気が続いています。
「稲に三黄あり」と言います。その一つが、田植前の苗の色、二つがちょうど今頃の色、そして三つ目が刈り取り時の色です。
山形での稲の生育は、7月10日頃になると、これまでの濃い緑がやや黄色みを帯びてきます。草丈や茎を増やす栄養生長から、茎の根元に穂を宿す生殖生長

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7月10日の生育)                                  (幼穂の形成)

へと変化してきたためです。子供から大人への変化です。また、田植え時の栄養がそろそろ不足してきたことも関係しています。
そこで、追肥といって、肥料を施用し、稲に活力を与えます。この時期の適量の追肥は”もみの数”をふやし、”稔り”を高めるという効果があります。
ただし、もろ刃の剣、追肥量が多すぎると米のタンパク含有量を増やし、食味を低下させるといわれています。
そこで、農家は稲の葉色を見ながら、草丈や茎の数を測りながら、自分の田んぼにあった追肥量を判断します。農家の”経験と勘”もまた、良食味米生産の重要なポイントなのです。
これから、蒸し暑い日が続くと、「いもち病」といって、稲にとっては恐ろしい病気が発生してきます。また、太平洋岸からヤマセが入る地帯では冷害に備えなくてはなりません。
農家にとって、8月上旬の出穂を迎えるまで、気の休まらない日が続きます。

 

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2009年7月13日 13:31