春は名のみの風の寒さや

4月1日 :「春は名のみの風の寒さや」、雪模様の寒い中での塩水選作業です。

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春休み中の子供たちにも手伝ってもらいました。塩水選は、充実したタネを選ぶ作業で、米づくりにとって、もっとも基本的な技術です。明治15年(1882年)に福岡県で生まれた技術ですが、130年間も変わることなく続いている、"古くて新しい"技術なのです。手伝った子供たちにも、きっと引き継がれるでしょう。

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 水10リットルに塩2.1キログラムをよくかき混ぜると、比重1.13の塩水ができます。これにタネをいれ、かき混ぜると、良く充実したタネは沈み、稔りの不良なタネは浮きます。これで、充実したタネを選ぶことができます。沈んだタネは水洗いします。比重1.13というのは、生卵を入れると、それが水面から浮き上がった大きさの面積が10円玉ぐらいです。

 余談ですが、塩水選を手伝う孫たちに、祖母は「ご飯をいっぱい食べないと、浮いたモミのようになるよ」と教えていました。これも、農作業を通じた生きた教材でしょう。

 この日は、酒米品種の「羽州誉」、「龍の落とし子」、「山酒4号」、「酒未来」、「京の華」の5品種を塩水選しました。塩水選後は浸種といって、発芽に必要な水分を吸わせるために、10日間ほど水漬けしておきます。


2009年4月 1日 14:18