本年産酒造好適米品種、千粒重大

千粒重(令3年産).jpg
令3年千粒重(試験田).jpg 令3年千粒重(金山).jpg

 アスク品質調査室では連日本年産の酒造好適米の品質調査が行われています。その中で、本年産米は玄米千粒重が大きいことが特徴的です。上図の棒グラフは酒造好適米品種の千粒重(令1~3年)をアスク試験田と金山酒米研究会産別に示したものです。黒棒が本年産です。いずれの品種とも令3年産が令2、令1年産より千粒重が大きいことがわかります。
 酒造好適米品種の千粒重は、アスク試験田では出穂後20日間の平均気温とは負の関係が見られます(下図左)。図中の赤丸が本年産です。本年の出穂後20日間の平均気温は25.3℃、比較的低い気温で推移したことが粒を充実させ千粒重を高めたと推察されます。
 金山の事例では、穂孕期間(出穂前11~20日間)の最低気温が高い年では千粒重が高まる傾向にあります(下図右)。本年の穂孕期間の平均最低気温は20.6℃と比較的高く推移したことがもみ殻を大きく形成し、千粒重が高まったと推察されます。
 ここ数年、酒造好適米の千粒重は平野部では出穂後の高温、中山間部では出穂前の日照不足・低温などの気象変動で小粒化の傾向が続きましたが、久しぶりに酒米らしい品質を確保しました。他産地でも同傾向にあるのでないか。高品質の米が醸す新酒を楽しみに。

 

2021年11月 8日 12:32