アスク試験田生育調査スタート

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活着した苗の葉数をマーク
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 5月14日に社員が田植えした苗は順調に活着し、3枚目の葉をマジックでマークしました。例年なら4枚目ですが、苗の生育が5月初めの天候不良で遅れたこともあり、葉の展開は遅れています。
 イネの要数の数え方ですが、試験田では不完全葉の次に抽出する葉を第1葉と数えています。今が3.5葉~4葉に生育しています。イネの生育の進み方を表す(イネの年齢)には、通常、田植え後日数が用いられます。しかし、イネの生長は気温、水温の影響を強く受けるため、同じ田植え後日数でも、気温経過によって生育は大きく変わります。このため、田植え後の日数だけで、年ごとや地域間でのイネの生育を比較することは困難です。また、日数だけでは、イネの生育状態も把握できません。日数に対し、展開した葉数によってイネの年齢を表す方法が葉齢です。測定しやすく、葉齢には生理的、形態的な生長過程が含まれており、その数値からイネの姿がイメージしやすいのです。葉齢は完全に展開した葉の数に、抽出中の葉の出現割合を小数第1位の数値で表します(後藤雄佐:作物学の基礎)。
 出穂までに主茎がつける葉の数(主茎総葉数、主稈葉数)は、品種によってほぼ決まっています。酒造好適米早生品種の美山錦、龍の落とし子、羽州誉で12枚、中生品種の雪女神、出羽燦々、出羽の里、酒未来、山酒4号(玉苗)で13枚です。ただし、年によって1枚ほど変動します。
 ある葉が抽出して、次の葉が出るまでの期間を出葉間隔と呼んでいます。出葉間隔は、生育の初期は5日程度ですが、高温で短く低温で長くなります。また、幼穂が生まれるころからは8日程度と長くなります。葉数調査することは、イネの生育状態を把握するうえで大変重要です。これから一番最後に抽出する葉(12~13葉)まで定期的にマークすとともに、草の長さ(草丈)、茎の数(茎数)をも調査していきます。

2021年5月25日 09:44