金山酒米研究会"30年産米の品質概要(2)"

玄米長さ.jpg 玄米の幅.jpg
登熟盛期気象(金山).jpg
 30年産金山酒米研究会の「出羽燦々」の品質の特長の一つが、玄米千粒重が29年産より0.7gほど小さかったことです。玄米千粒重は、出穂前に決まるモミガラの大きさと、このモミガラに出穂後どれだけデンプンが蓄積するかにかかっています。このため、千粒重が影響を受けやすいのは、モミガラの大きさが決まる減数分裂期(出穂前10~20日)の低温と出穂後20日をピークとした登熟盛期の気温や日照の多寡と言われています。
 金山の8月の気象は、玄米の長さの決定期である8月第2半旬の日照時間は平年比64%と少なく(グラフ赤棒)、玄米の幅が決まる第4半旬の最低気温は平年差△9.1℃と低く(グラフ青線)経過したことがわかります。さらに、両形質に決定的に影響したのが8月第6半旬の日照が平年比4%と著しく少なかったことです。その結果、上のグラフに示したように、30年産の玄米の長さ幅とも29年産より明らかに小さいことがわかります。
 これまで、玄米の形状は計測できませんでしたが、サタケの穀粒判別器(醸造用)の導入によってそれが可能になり、酒米の品質解析の情報が一段とアップすることが期待されます。
 もう一つの品質の特長、玄米タンパク含量が高めであったことも、玄米の長さと幅が小さかったことと関係があるのでないか?。今後さらにデータを積み重ね、品質向上に活用したい。


 

2019年1月22日 14:18