インドハリアナ州のあぜ道から(24)

 試作田インド玄米食味.jpgの「はえぬき」のもみを持ち帰り、品質・食味を調査した。その結果を右表に示す。なお、現地では刈り取り株は直接田んぼで地干し、乾燥後はカラのドラム缶や地面に強く打ちつけて脱穀したためか、もみすりした玄米には砕粒が目立った。

 玄米品質:千粒重はK2,K3で19g、D1,DJ,DFで21gで山形産が22.7gなのに比べ2g近く小さかった。整粒歩合は砕米が多かったこと、とくにK2,K3は熱風害のためか乳白粒も多く極端に低かった。デヘラドーンは砕粒が多かった。
 食味値:玄米タンパク質含量(近赤外分光計 BLテック)はK2,K3では10.4%、9.6%と高かった。デヘラドーン産は平均して8.4%であった。同サンプルをサタケ食味計に掛けたところ、食味値は50~60と低かった。これは玄米タンパク質含量が高いためであろう。炊飯米を食べた感じでは、ご飯にツヤがなく、軟らかかったものの日本米の味であった。
 

 苗づくり、作期、施肥法、栽植密度、水管理、刈り取り期そして乾燥・脱穀・調製などのポストハーベストの改善によっては、山形産”はえぬき”並みの食味値に近づくのでないだろうか。とくに、デヘラドーンの棚田米では。
 7月半ばに田植えしたカイタル産、デヘラドーン産”はえぬき”の出来秋が楽しみである。後日、報告の予定。

 インド玄米.jpg
  

2018年8月 1日 14:54