金山酒米研究会の事例報告(第41回酒米懇談会にて)

酒米研究会_2017.9.7④.jpg 9月5日、東京北区西ヶ原滝野川会館にて酒米研究会(会長 平田 大)主催の第41回酒米懇談会が開催され,酒造メーカ、酒類総合研究所などの関係者70名ほどが参加しました。本会は毎年開かれ、原料米の研究の成果発表のみならず、お互いの情報交換の場でもあります。
 今回は、弊社の谷藤がJA金山酒米研究会の生産現場から得られた調査データと事例を取りまとめた結果を「酒米品質の変動要因と向上への取り組み」の演題で発表しました。
 その主な概要は次の通り。
 1 品質変動の要因
 ①千粒重の大きさは穂孕期間(出穂前20~10日)の最低気温に影響されること。
 ②心白の発生は登熟期間の気温との関係はみられるが、年次間、生産者間の変動が大きいこと。
 ③玄米タンパク質含量は、調査年次を重ねることで年々低下し、また、生産者間、土壌型間の変動は小さくなってきたこと。
 ④胴割れ粒の発生は、9月上旬の低温によって助長されること。

 2 品質向上への取り組み
 ①土づくり肥料の施用がタンパク質含量を低下させるなど、品質への効果をデータとして提示することで、研究会の全員が施用すようになったこと。
 ②葉色と玄米タンパク質含量との関係から、葉色値を穂肥診断に適用できること。
 ③玄米のふるい目幅をこれまでの2.0mmから2.1mmにすることで品質向上は図られるが、減収することから、その軽減のための栽培技術を提示したこと。
 なお、講演内容の詳細は、本ブログの「酒米について」に掲載していますので、ご活用ください。

 

2017年9月 7日 13:56