初雪を眺めながら種子の調製作業始まる

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  酒米用の種子選別機を導入しての手作り新施設
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 山形に、平年より7日、昨年より10日も早く冬将軍が到来しました。11月12日早朝の積雪量は、大蔵村肘折30cm、西川町大井沢13cm、尾花沢市18cm、金山町10cmを観測しています。
 例年、冬を告げる頃に始まるのが酒造好適米品種の種子調製作業です。アスク種子生産圃場に作付けした「羽州誉」・「龍の落とし子」・「山酒4号」・「酒未来」・「改良信交」・「京の華」・「酒の華」・「キヨニシキ」・「はなの舞」・「雪化粧」、そして新たに兵庫県で栽培した「愛山」が加わった11品種です。作業は11日からスタートしました。
  コンバインで収穫したままのモミには、芒(のぎ)、枝梗(しこう)がついています。また、実の入らない粃(しいな)が混じっています。そのままでは来年のタネとして不適です。これらの夾雑物を除くのが調製です。
 調製作業で威力を発揮するのが脱芒機とグレーダ。脱芒機で芒や枝梗を取り除いたモミを、こんどはグレーダーにかけて粃や充実していないモミを除きます。とくに、25年産は酒米用の2.3mmの網目のグレーダを導入、選別の効率化を図っています。
 これら一連の施設は、担当する「このゆびとまれ」の山口泰弘・平吹正直両君の創意工夫による手作りです。息の合ったコンビならではの手際の良さで、作業をこなしていきます。種子は20kgずつ紙袋に詰め来年の春までには酒米生産者に届けられます。その量は11品種で4000kgにもなります。
 「おいしい酒は原料米の厳正な種子生産から」というアスクのモットーは、若い担い手の両君の地道な取り組みがあって生かされている、と言っても過言ではありません。

2013年11月12日 13:47