つや姫のおいしさを求めて

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山形の晩秋、いま紅葉の真っ盛りを迎えています。天気の方は、ぐずついていますが。
先日、その紅葉に誘われながら、山形県農業総合研究センターを訪れる機会がありました。センターは、山形市西部の郊外、小高い丘のうえに建ち、コブシやモミジに囲まれ、木々は紅葉の美を競い合っているかのようです。
センターの中に入ると、お昼時というのに静寂そのものです。それもそのはず、”つや姫”の食べ比べの最中だったからです。職員の皆さんは、、真剣なまなざしで、小さなトレイに盛った6種類のごはんを目で、鼻で、そして口に含み、五感で微妙なおいしさの違いを判定していました。全県から集められた”つや姫”の食味試験は、これから毎日のように行われるとのことです。
現在、米の食味評価は、米のタンパク質やアミロースを瞬時に測定する食味計が主流になっています。でも、おいしさの微妙な違いを評価する決め手は舌、ベロメータでないでしょうか。毎日もくもくと食べ比べる、当センターのこうした地道な取り組みが、おいしい”つや姫”を育てている、と言っても過言ではないでしょう。
24年産の”つや姫”の品質は一等米比率が98%(9月30日)、他品種が夏のあの暑さで軒並みに品質を低下させている中で、善戦しています。美味しさのみならず、高温にも強い”つや姫”、この優れた特性を発揮する米づくり技術の開発もまたセンターの研究成果によるものと思われます。
日々食べまくる、センターの取り組みが、さらなら成果につながることを期待し、紅葉の並木道を後にしました。

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2012年11月 9日 10:41