稲を育てる

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【6月 稲を育てる】

こまめな水管理

6月に入いると、稲はみるみる大きくなってゆきます。田植えした一本の苗からは、茎(分げつ)が出始めます。
分げつの発生を促すために水管理は大切です。昼間は水とめ、夜に水を入れる、昼間止水・夜間灌漑などのこまめな管理をします。
山間部の水の冷たい田んぼでは、温水チューブを利用したりして、水温の上昇に努めます。
ただ、湛水状態のままにしておいて、気温の高い日が続くと、根の生育に有害なガスが発生しますので、ときどき夜間に水を落とします。

田んぼに溝をほる(作溝)

6月の下旬になると、穂になる分げつの数は充分に確保されています。計画した穂の数以上の分げつ(無効分げつ)の抑制、根の健全な生育、そして秋の刈り取り作業を容易にするために、田んぼに溝を切る作溝(さっこう)と呼ばれる作業をします。

 作溝機を使って、稲の列2~3メートルおきに15センチメートルくらいの深さの溝を掘ります。

作溝
作溝作業(6月26日) 

土を乾かす(中干)

作溝後、田んぼには水を入れないで、ヒビが入る程度に乾かします。
この作業は根に有害なガスを抜いて、新鮮な空気を土の中に入れます。これで根は健全に伸び、稲の活力を高め、倒伏を防ぎ、秋の実りを高めます。さらに、土が固くなるので、秋の刈り取り作業を容易にします。
中干後の水管理は、2日間湛水し、2~3日間は落水する2湛2落、2湛3落を、8月上旬の穂が出るころまで繰り返します。

【7月 幼穂を大きく育て、守る】

穂の成長と実りを高める穂肥

7月中旬、これまで盛んに分げつを出していた稲の茎の中には、2mmほどの穂が分化してきます。葉の色は少し淡くなってきます。穂がでる20~25日前ころです。
そこで、穂の数や、穂に着いているもみの数を増やす、梅雨明け後に夏バテしないようにする、さらに実りを高めるため、窒素と加里肥料を追肥します。これをほ穂肥(ほごえ)と言います。
穂肥のやり方で、お米のおいしさや収量は大きく左右されます。穂肥をいつ、どのくらい施用するか、米づくり農家の腕の見せ所です。

 施用時期が遅かったり、量が多すぎると米のおいしさが損なわれます。逆に、早すぎたり、少なかったりすると収量が下がります。
農家は、田んぼに入って稲にふれ、茎の数や葉の色などから、穂肥の適期と量を決めます。ちょうど医者が聴診器をあてて病気の診断をするのと似ていることから、稲の生育診断と呼んでいます。
標準的には、穂肥の施用時期は7月15~20日、施用量は窒素の成分で1.5~2.0kg/10アールが標準です。

冷害から幼穂を守る

これまで順調に育ってきた稲は、幼穂を孕み、花粉のもとを作る減数分裂と呼ばれる時期になると、低温にもっとも敏感になります。それは、出穂10~15日前の7月下旬にあたります。

 この頃の気温が最高で20℃以下、最低で17℃以下の日が数日続くと、正常な花粉ができなくなります。それ以後再び暑い日が来て出穂しても、稔らないもみが多く発生します。

冷害被害
冷害被害(不捻もみの多発) 

 このため、低温の気象予報が出されたときには、田んぼの水を20センチも深く張り、幼穂を水の保温力で保護してやります。