アスク稲作研究会 GLOBAL G.A.P.認証2年目に向けて②

 4月10日、11日に一般財団法人日本生産者GAP協会理事長の田上隆一氏を講師に招き、

ASK稲作研究会 GLOBAL GAP講習会を行いました。11日の参加者は、酒米、主食米

生産者、関係するJA職員(お忙しい中、有難うございました)、アスク社員を加え15名。

 2日目は、平成26年度 GLOBAL G.A.P.の認証を取得した山口泰弘氏の作業場にて、

3時間の研修と質疑応答。

 私のメモの一部を以下にまとめますと。

 田上先生と山口氏のインタビュー形式(敬称略)。

G.GAP講習会in山形2日目② 2015.4.11.JPG

田上:なぜGLOBAL G.A.P.を取り組んだのか。

山口:昨年先生の講習 [あぜみち日誌(2014.3.27)]を受け、その通りと思った。こういう

時代が来る。先に取り組んでしまおう。

 

田上:取り組むに当り、大変だったことは。

山口:記帳する習慣が無かったので、記帳が大変だった。

田上:都度付ける事は重要であり、都度付ければ難しくは無い。

山口:はい。難しいことではない。ただ、都度付けないと分からなくなるので、

都度付けた。

 

田上:審査で指摘されたことは。

山口:米を量る計量器が正しいのか指摘を受けた。どの様に確認をすればよいかを

問い合わせた。500ccの水が入ったコップで確認をすれば良いと回答があった。

田上:工場であれば規定があり、検査協会に依頼等する必要があるかもしれないが、

科学的な回答であるのでそれで良い。あえて難しい事や経費を掛ける事をする必要は

無い。

 

田上:皆さん。作業場を確認して下さい。なぜビニールやカーテンで仕切りを

しているのか。ゾーニング(区分)をしている。新しい建物、古い建物では無い。

カーテンやブルーシートで出来る。なぜ行うのか。異物混入防止。何が、何故問題か、

どうするのかを考え対応する。先日伺った生産者の方の作業場は壁が無く、屋根と柱

しかない。野ざらしで作業をしているのと同じ。製品に異物が入ったらどうするのか。

費用も抑えたい。そこで、ビニール波トタンを使用することにした。

 

田上:消防法を守らなければならない。対応はどの様にしましたか。

山口:消防の友人に確認をした。タンクと防油堤を購入した。10万円掛かった。

田上:新たなタンクを購入する必要は無かったのではないか。防油堤の代わりにブロック

では問題があったのか。

山口:防油堤がタンクのサイズに合わなかった。防油堤に合せてタンクも替えた。

価格は、防油堤の方が高かった。ブロックを置き、コーキングをする事も検討したが、

移動も考慮し防油堤の購入を決めた。

 

田上:農薬保管庫を見せて下さい。漏れた時は、どうしますか。

山口:レールの下をコーキングし、漏れないようにしている。雑巾と油吸着シートを

用意している。自分で材料を購入し、作った。家の増築をしている時だったので、

業者さんにも協力をしてもらった。

 

 さらに以下にメモの一部を記載します。

G.GAP講習会in山形2日目① 2015.4.11.JPG

・工程管理が出来ていれば、万が一問題が発生した場合でも全商品を回収することなく、

商品の回収範囲を明らかにすることが出来る。

・データは商談にも使用できる。改ざんが出来ない様にボールペンで記載しても良い。

パソコンが使えない人でも書類の書式に沿って記載をすれば問題ない。

・出来ることを行う。まずは大変な事、大事な事を行う。とんでもない事はしない。

目指すレベルは、一緒。

・乾燥ロットでまとめる。細かい正確さよりもくくりが大切。

・管轄で取り組みをお願いする際は、全体の三分の一の方からお願いをして行く。

無理やりお願いをする必要は無い。平等に固執をして産地を潰す必要は無い。

キウイ農家(10a)の82歳の方も農薬保管庫ではなく農薬保管箱(手提げの金属箱)、

書類も手書きをして認証を取得している。JAでPMO(Project Management Office:

組織内を横断的に行う仕組み)を行い、G.GAPを統一ブランドに活かしても良い。

・季節により様々な作業を行う作業場の清掃ルールを作成する。

・農薬のリスク分析を行う。例えば、登録商品を選んでいるのか、期限を確認し、

別配をしているのか。年に一回は、リスク分析を行う。

・農業者の事故が多いことは大問題。ルールと管理は重要。

・今まで行ってきたことに修正、加え、直す、照会をしていく。

・G.GAPの認証を取得して、誇りを持てた。

・作業場に水道が無い場合は、蛇口付のポリタンクに水道水を入れて用意すると良い。

 

 最後に参加者全員が感想を述べました。本年度の認証取得を目指す、目指さないに

関わらず、全員がGAPを意識した管理の重要性を再確認しました。

 

 現在は、講習会に参加した方々に認証取得をお願いしながら、順次訪問をさせて頂き、

書類の書き方や作業場を確認させて頂いております。

 ご質問等がある際は、何なりとお問い合わせ下さい。

 今後も随時掲載をして参ります。

                                   A.I.

 

2015年4月25日 14:39