良質酒米を育む早めの作溝、中干し

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アスク試験田の作溝  「羽州誉」の作溝作業

 蒸し暑い梅雨空の下、この指とまれの平吹正直さんは、アスク試験田と酒造好適米「羽州誉」の田んぼの作溝作業をしました。田植えから40日目になる6月下旬、気温上昇とともに田んぼは前年に鋤きこんだワラが腐熟し硫化水素や有機酸など、根の生長に有害な物質が沸いてきます。ワキと呼んでいます。ワキは例年より早いことから、早めの作溝・中干しです。田んぼの水をいったん落とし、数メートルおきに深さ15cmほどのV字型の溝を切り、10日間ほどは湛水せず、小ヒビが入る程度まで干します。
 作溝・中干しで土が締まり、イネは逞しくなります。草丈が伸びすぎるのを抑え倒伏に強くなります。のみならず、収穫直前まで溝に水を入れることで田んぼに潤いを与え、コメ粒は充実し、タンパク質含有量は低下します。
 また、適度に乾いた田んぼでは大型コンバインが適期に、効率的に稼働できます。秋雨が降り続く年、作溝をしなかった田んぼでは刈り取りに苦労しているのを見かけます。作溝・中干しは、良質米作り、美味しい酒造りには欠かせない作業なのです。

 

2021年6月26日 10:14