"山酒4号(玉苗)"の作柄を語り合う

 9日、酒造好適米品種”山酒4号(玉苗)”の生産者、かほく酒米研究会が総会を開きました。会には奥山喜男会長ら生産者、研究会を支援する山崎商事、山米商事、アスクが集い、本年の作柄について語り合いました。
 山酒4号(玉苗)は、地元村山農業高校(現村山産業高校)の生徒らが金紋錦と山田錦を交配育成、昭和58年に誕生した酒造好適米品種です。本年産は、河北町を中心に85トン(検査数量)、特等18.7%、1等68.5%(11月30日)の生産量となっています。また、山酒4号の使用蔵は県内が4蔵、県外が北海道から佐賀県までの8蔵です。
 さて、本年産の品質は下図のグラフに示したように、玄米タンパク質含有量(赤線)は平均7.1%で低めなのに対し、千粒重(黒線)は平均25.4gで例年より1gほど低くなっています。また、整粒歩合も低めで、本年産の品質は総じて「やや不良」とみられました。
 その要因の一つが、7月の記録的な日照不足です。この期間は、幼穂分化から出穂直前に相当し、モミ数とモミ殻の大きさが決まります。日照不足は、モミ殻の生長を抑制するため、その後に登熟が進んでも千粒重は小さくなってしまいます(玄米の長さと千粒重との関係図)。二つ目が、出穂後6~25日間の平均気温が26℃と高く経過したことによる白未熟粒の発生です(出穂後20日間の気温が26℃以上で白未熟粒が7発生する)。
 研究会は、穂肥の施用や刈り取り期には圃場を巡回するなど、品質向上に努力していますが、記録的な気象変動には勝てなかったようです。例年なら、総会終了後に山酒4号(玉苗)の大吟醸酒を酌み交わしながら大いに盛り上がり米談義に花を咲かせるのですが・・・・。捲土重来、来年に期待しましょう。

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2020年12月10日 09:49