アスク試験田酒米品種の作柄解析(令1年産-5)

千粒重1.jpg 玄米の発達.jpg

 図 1 出穂後11~20日間の平均気温と千粒重との関係(出羽燦々:アスク)  図2 玄米の発達

 令1年産アスク試験田の酒造好適米品種の品質調査ではすべての品種とも玄米千粒重は小さいという結果でした。そこで、出羽燦々について、アスク試験田を開設した平成17年から令和1年までの15年間にわたって、出穂前後の気温と千粒重との関係を調査しました。出穂後10日間、同11~20日間、同20日間の平均気温と千粒重との関係のうち、両者の関係でもっとも明瞭だったのは出穂後11~20日頃に相当する8月中旬の平均気温でした(図1)。図1は、気温24~25℃の年では27gと大きいのに対し、27℃の年では25gと小さいことを示しています。出穂後11~20日は図2に示したように、玄米の幅が肥大しピークに到達する時期に相当します。
 表1からは、令1年産の玄米サイズが29、30年産の平均値に対し、長さ、厚さがほぼ並みであるのに対し、幅は95%と低いことが読み取れます。なお、8月中旬の平均気温は29年23.3℃、30年は24.1℃と低めであったのに対し、令1年は27.8℃と高温でした。このことから、令1年産の千粒重が小さかったのは、玄米の幅の肥大が高温によって影響を受けたのでないか、と考えられます。(金山産については次回報告)
千粒重、玄米形状.jpg

2020年1月16日 10:44