"この指とまれ"作柄を語り合う

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  アスク会議室から初冬の蔵王山を眺望しながら作柄を語り合う

山形市西部の本沢の稲作農家のグループ”この指とまれ”は平成17年から酒米生産に取り組み、アスクと一緒に歩んできました。グループが作る酒米は「羽州誉」、「龍の落とし子」、「酒未来」、「山酒4号(田苗)」の独自の品種です。作付け面積は年々増え本年は21ha、また、蔵元も全国に広がり延べ36蔵に上っています。のみならず、これらの品種の種子生産を担っています。 グループは当初から、2.1mm網で選別する、タンパク含有率を上げない穂肥施用、適期刈り取り・乾燥など、徹底した高品質酒米の生産に取り組んでいることは、本ブログでたびたび紹介しています。
 25日、グループの皆さんがアスクに集い、本年産の作柄について語り合いました。アスクからは、出穂直後からの高温(8月1~20日の平均気温28℃)に見舞われたことから ①腹側に流れる心白粒の発生が多く、玄米外観がシラタ状を呈したこと、② 千粒重が低下したこと、③ 粒厚が厚めであったことから2.1mm選別での収量低下が小さかったこと、の調査結果が報告されました。
 さて、出穂後の高温による品質低下、北陸地方をはじめ全国的に大きな問題題となっています。大粒・心白粒が特性の酒米品種は一般米に比べて高温による品質低下が大きいのでないかと考えられます。その対応の一つに、出穂後の実肥が効果があるのでないか、との提案がなされましたが、タンパク質含有率は確実に上昇するでしょう。当面の高温対策は、適切な水管理、適期刈り取り・乾燥の励行などなど、これまでも取り組んできた事柄を強化することにあるのでないか。
 品質向上と高温対策、これからの米づくりに避けては通れない大きな課題です。まあ、一杯やりながら考えましょう。懇親会が盛り上がったのは言うまでもありません。

 

2019年11月26日 11:09