アスク試験田酒米品種の作柄解析(令1年産-2)

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 山形県の酒米生産者は酒造好適米品種の品質向上を図るため、玄米選別のふるい目幅を2.1mmへと切り替えつつあります。本ブログでたびたび紹介しているJA金山酒米研究会は29年産から2.1mmに全面的に切り替えしました。
 2.1mm選別で、大粒化、低タンパク化、耐高度精米化など、原料米の品質向上のメリットはあるものの、2.0mm選別より当然ながら減収します。減収の程度は、一義的には品種の玄米形状に左右されますが、同一品種であっても、気象条件、栽培法などでも異なります。アスク試験田の令1年産の結果はどうだったでしょうか。上のグラフに示します。
 ① 2.1mm以上の粒厚歩合(黒棒:令1年、白棒:平年)は出羽燦々がもっとも大きく92%、もっとも低いのが早生羽州誉52%、中生雪女神53%7である。
 ② 粒厚歩合2.0mmの対平年差は平均で早生群は+0.2ポイント、中生群は並み。2.1mmでは早生群-4ポイント、中生群-3ポイント低下。2.1mm選別の対平年差を品種別でみると、出羽燦々は+3ポイントと平年を上回っているのに対し、雪女神は-14ポイントと平年を大きく下回っている。
 以上から、アスク試験田令1年産米は出羽燦々以外の品種では平年より大粒米の歩合が低いという結果を示しました(平年値:平成17~30年平均、雪女神は29~30年平均)。 

2019年11月29日 10:11