気温と玄米千粒重との関係(2)

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出穂後20日間の最高気温と千粒重.jpg (1)で示した出穂後20日間の最高気温と千粒重との関係図は金山のデータで作成したものです。金山は中山間地であることから、夏季の気温は平坦地より低い。このため折れ線モデルから求めた折曲点27.8℃は平坦部では低すぎるのでないか。
 そこで、アスク試験田における出羽燦々の千粒重のデータを同図にプロットしたのが右図です(出穂後20日間の最高気温は山形気象台による)。金山とアスク試験田のデータを混みにすることで、千粒重は24.5~27.5g、気温は26~34℃とその範囲が広がりました。このグラフに折れ線モデルを当てはめるとR2=0.46と、当てはめの精度はそれほど高くはありませんが、折曲点は28.7℃で(1)よりは1℃高く算出されました。すなわち、出穂後20日間の最高気温が28.7℃以上高くなると、気温が高くなるとともに千粒重は低下します。ちなみに、アスク試験田の出羽燦々の出穂期が8月5日とすれば、出穂後20日間の最高気温の平年値は30.5℃です。
 以上から、穂孕期間(出穂前11~20日)の最低気温18.3℃以下はもみ殻の大きさに、そして出穂後20日間の最高気温28.7℃以上は一粒重の大きさに影響すると考えられます。穂孕期間の低温がもみ殻を小さくすることは冷害の年に見られる現象です。また、出穂後の高温登熟条件では登熟前半の粒重増加速度が大きくなるが、その一方で粒重増加期間の登熟日数が短縮し、玄米一粒重は低下することが指摘されています。
 (1)と(2)で提示した18.3℃と28.7℃、出羽燦々をはじめ酒造好適米品種の千粒重予測の目安になるのでないか。また、酒造好適米品種の適地を判断するうえでも活用できるのでないか。生産現場でさらに検討したい。
 

(2019年1月31日 09:24)
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