アスク試験田の酒造好適米品種の作柄(4)

品特収量構成要素.jpg 残り少なくなった年の瀬に急かされ、アスク試験田の調査が終了。その概要は上図のとおりです。グラフで黑棒が7本年値、白棒が平年値です。面積当たり玄米収量は、㎡当たりのもみ数(㎡当たり穂数×一穂もみ数)、精玄米粒歩合(総もみ数に対するふるい目幅2.0mm以上の玄米粒数)、玄米千粒重で構成されます。まず本年の試験田の収量は、品種によってそれぞれ異なりますが、全品種平均値で58.6kg/アール、平年値も58.6kgですから、平年並みでした。収量を構成する要素では、㎡当たりもみ数が本年29千粒(平年31千)、精玄米粒数歩合が本年73%(平年76%)、また千粒重は本年26.3g(平年25.8g)で、いずれも平年並みとみられます。
 県内の本年産米の作柄は、出穂後の日照不足の影響で96のやや不良でしたが、アスク試験田の酒米品種は平年並みを確保したと言えるでしょう。その反面、ふるい目幅2.1mmで選別した収量は平年比で早生群87%、中生群91%と大きく落ち込みました。すなわち、粒厚が厚く、太った玄米の粒数割合が低下したことが、試験田の本年作柄の特異的な現象でした。

2018年12月26日 11:06