インドハリアナ州のあぜ道から(32)

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精米の品質     D3のごはんは「白く、ツヤがあり美味しい、粘りはちょっとないか」

 現地で女性たちが脱穀機で脱穀したモミを若干量持ち帰り、品質・食味を調査しました。その結果が上表です。
 玄米品質:千粒重は棚田のD3が22.6gで山形産並みの大きさでした。これに対し平坦部で気温が高いKN,K3は21.4g、21.1gで粒は細身でした。整粒歩合は本シリーズ(24)で紹介したサンプルに比べ明らかに高いことがわかります。(24)のサンプルはドラム缶に打ち付けて脱穀し砕米が多かったのですが、今回は脱穀機を使用したため砕米が少なかったのです。なお、K3の精米はシラタが目立ちました。
 食味値:サタケ食味計による玄米タンパク含有量はD3が9.0%、KN9.1%、K310.4%でいずれのサンプルも高い値を示しました。この傾向は(24)と同様でした。タンパクがK3で高かったのは登熟が高温下で進み登熟期間も短かったこと、これに対しD3は棚田のため気温が低く推移したためでないか?、と考えられます。とすれば、アミロース含量の値は山形産より低くなっても良いのですが。タンパクが高いことから食味値は60台でした。
 さて、ごはんの美味しさは?。電気釜の蓋を開けると、「新米特有の香り、ご飯は白くツヤがあり、口に含むとこれまでインドで育ったコメとは一味違う。美味しい。もう少し粘りがあると申し分ないが」、というところでしょうか。
 今回の米づくりは苗づくり、作期、施肥法、刈り取り期、脱穀、乾燥など前回の轍を踏まないよう改善を図りました。山形産「はえぬき」並みの食味に達するには”タンパクを低くする”など課題はあるものの、確実に一歩近づいたと言えるのでないか。

2018年10月29日 10:44