冬到来とともに酒米の種子精選作業始まる

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原原種子の精選作業   種子精選作業を手際よく進める山口・平吹さん
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 冬型の気圧配置の訪れとともに、山形は朝から冷たい雨が降り続いています。いよいよかん酒がおいしい冬到来です。
 例年、初雪がちらつくのを眺めながら始まるのが酒米種子の精選作業です。アスク種子生産圃場に作付した「羽州誉」・「龍の落とし子」・「山酒4号」・「酒未来」・「改良信交」・「京の華」・「酒の華」・「キヨニシキ」・「雪化粧」・「はなの舞」、そして兵庫県小野市からトラック便で運ばれてきた「愛山」です。これらの酒造好適米品種は、十四代高木酒造が独自に開発したもの、かっては山形県で奨励したもの、100年近く前に作られたものなど多様です。
 種子の生産を担っているのがこの指とまれの山口泰弘さん、平吹正直さんです。コンビを組んで10年のベテランです。雪解けを待っての塩水選に始まり、播種、田植え、刈り取り、乾燥、そして種子生産の基本でもある異株の抜き取りなど一粒たりとも他品種が混入しないよう、細心の注意を払いながらの圃場作業に汗を流してきました。そして、しんがりが種子の精選です。
 この作業は、モミの先端についている芒(のぎ)や枝梗(しこう)を取り除く脱芒機、粃(しいな)や充実していないモミを取り除く選別機を主役に、その脇を固めるフォークリフト、昇降機、秤などなどをつなぎ合わせるなど、創意工夫を凝らした施設で手際よく進められます。
 大変なのが一品種が終了するたびに行う掃除です。機械類を分解し、中に混入しているモミやゴミを取り除き、再び組み立てるという根気の入る作業の繰り返し。息の合ったコンビならではの手際の良さです。調整された種子は20kgずつ紙袋に詰められ、来年3月には県内外の酒米生産者へと届けられます。その全量は4000kgにもなります。
「芳醇な酒を醸す米づくりは確かな種子生産から」、というアスクの方針は、両人の地道な取り組みがあってこそ、と言っても過言ではありません。寒い中での作業は4日ほどかかります。終わった後に酌み交わす酒を楽しみにしながら。

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2014年11月13日 10:07