愛山の種子生産2年目を迎えて(3)

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  愛山の種子田           一株一株抱き起しながらの刈り取り
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松本さん(左)に手伝ってもらいながら           宅急便で送られた稲株


 幻の酒米”愛山”、兵庫県小野市の酒米生産者の松本栄一さんの田んぼで育まれ、いよいよ刈り取り期を迎えました。
 10月20日、山形を早朝に発ち、雨がシトシト降る中、新神戸から六甲を越え田んぼへと向かいました。”晴れという天気予報に合わせてスケジュールを組んだのに”と愚痴をこぼしながら。でも、日ごろの精進の賜物でしょうか、雨は田んぼに着くころには止みます。
 さあ、雨が降らないうちに刈り終えよう、とは言っても愛山の基本となるタネ(原原種)ですから、丁寧に、注意深く刈る必要があります。倒れた愛山を一株一株抱き起こしながら、異株らしきものが混入していないか確かめながら、1系統60株ずつ5系統を刈ります。松本さんに手伝ってもらったのですが、終えた頃はすでに夕暮れが迫っていました。
 刈り取った稲束は株元から半分ほど切り取って、花を送る長いダンボール箱に詰め宅急便で山形へ。これらの作業は昨年も経験しているので慣れたものです。翌日、アスクに到着した花束ならぬ稲束は雨露で濡れていますので、直ちに乾燥。10日ほど乾燥した後は、脱穀・調製し、モミは来年松本さんの田んぼで原種生産用に、また、系統ごとに選抜した株は原々種生産用のタネになります。
 愛山の生まれ故郷で、より確かなタネを生産する、その思いで手間と金と時間をかけての地道な取り組みは続きます。愛山も、これに応え、おいしい酒を醸してくれるに違いありません。

2014年10月22日 13:14