来年の酒米づくりに向けて

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山形はいよいよ冬の到来を迎えました。郊外の竜山にかかる雲の切れ間からは、新雪を眺めることができます。間もなく、雪は麓まで下りてくるでしょう。
この時期、アスク種子生産圃場で栽培した酒造好適米品種「羽州誉」・「龍の落とし子」・「山酒4号」・「酒未来」・「改良信交」・「京の華」・「酒の華」そして「キヨニシキ」・「はなの舞」・「雪化粧」の種子調製作業が始まります。これらの品種は、蔵元が独自に開発したもの、かっては山形県で奨励したもの、100年近く前に作られ
たものなどです。
種子生産を担当しているのが、この指とまれの若い担い手、山口泰弘、平吹正直の両君です。 雪解けを待っての塩水選に始まり、播種・田植え・刈り取り・乾燥に加え、猛暑の中での異株の抜き取りなど、一粒たりとも他品種が混入しないよう、目を光らせながらの作業、それが種子生産に求められます。
これら一連の作業のしんがりが種子調製です。モミについている芒(のぎ)、や枝梗(しこう)を取り除く脱芒機(だつぼうき)、粃(しいな)を吹き飛ばし充実したモミを選別する唐箕(とうみ)、そのほか昇降機や秤などなどの機械類をつなぎ合わせ、創意工夫しながら小規模な種子生産施設を作り、流れ作業で行われます。
大変なのが一品種が終わるたびに行う掃除です。機械類を分解し、中に入っているモミを全て取り除き、再び組み立てるという、根気のいる作業の繰り返しです。手慣れた息の合ったコンビならではの手際の良さでこなしていきます。
こうして調製された種子は、20kgずつ紙袋に詰められ、来年の3月には酒米生産者に届けられます。その量は、9品種で3000kgにもなります。
おいしい山形の地酒、それは若い担い手達の種子生産への地道な取り組みと、熱い思いが醸しているのかもしれません。

DSCN4684.JPGDSCN4682.JPGのサムネール画像DSCN4632.JPG

 

 

 

 

 

 

 

2012年11月15日 11:52