新品種「つや姫」の"おいしさ"を求めて

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 例年なら銀世界になる山形の冬、12月半ばに入ったというのに、冬とは思えない日が続いています。
 先日、小春日和に誘われて、山形県農業総合研究センターを訪れました。センターでは、新品種「つや姫」の食味試験の最中、職員は真剣なまなざしで「つや姫」を食べ比べていました。食味試験は収穫後から1カ月近くも続いているとのことです。
 本年産「つや姫」の品質は、1等米比率99%を維持、コシヒカリよりも夏の猛暑にも強いことが証明されました。さらに、おいしさの要因がコシヒカリに較べ、うまみアミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)が多いことが、当センターと慶應大学先端生命科学研究所との共同研究で明らかにされています。
 現在、米のおいしさの判定には、タンパク質やアミロースを測定する食味計が主流になっています。将来的には、「つや姫」のおいしさ解明によって、アミノ酸など代謝物測定が注目されるかもしれません。
 とはいっても、ご飯の”つや”、”香り”、”硬さ・粘り”など、産地や栽培法などの違いによる米の微妙なおいしさを総合的に判定する決め手は、目やDSCN0968.JPG鼻、そしてベロメータともいわれる舌でないでしょうか。
 ”食べ比べる”、当センターでの長年にわたる食味試験の積み重ねがあったからこそ「はえぬき」が、そして今、「つや姫」が誕生し、さらにはおいしい米の生産技術が開発されてきたといっても過言でないでしょう。
 こうした地道な取り組みにエールを送り、落葉したコブシ並木のセンターを後にしました。
 

 

 

 

 

2010年12月13日 10:54